なぜかトイレの鍵がしまってる

何年か前にアパートに住んでいた時のことです。
そのアパートのトイレは共同トイレだったんです。
誰も入っている形跡がないのにトイレの鍵がしまっていたことがあります。
最初は鍵がしまっていたので、誰か入っているんだと思って待っていたんです。
ところが待てど暮らせど誰も出てこないんです。
段々に不安になってきて、誰かなかで倒れているんじゃないかなんて良くない想像をしたりしました。
ちょうど居合わせたお隣さんと一緒に、トイレのドアをドンドンと叩いてみました。
どんなにドアを叩いても応答がありません。
トイレのドアの下の隙間から覗いてみたんですが、誰かが入っていそうな雰囲気がまったくありません。
誰も入っていないのならいないで良いのですが、これでは誰もトイレに入ることができません。
もうすぐ私も会社に行かなければならないし、これはどうあってもドアを開けなければトイレに行けません。
そこでトイレのドアを揺すってみたり、針金を入れてみたりしてみました。
ニュース番組などで、鍵が開かなくなったなどトラブルを解決する特集がありますが、まさか自分が鍵が開かないことで四苦八苦するとは思いませんでした。
こんな切羽詰まっている時に鍵のレスキューを呼ぶこともできないでしょう。
それにもし呼んだとしても、誰が費用を払うんだということになりそうです。
ちょうどアルミの板みたいなものがあったので、トイレのドアの隙間に差し込んでみました。
それで何か感触があったので、これは行けそうだということでそのまま上にあげてみるとやっと鍵が開きました。
どうやらトイレが近いおばさんが、トイレに入った後半分鍵を回した状態でドアを閉めたみたいです。
ドアが閉まった衝撃で鍵が下りてしまったということみたいです。
人騒がせなおばさんでしたが、誰も何も起こったわけではなくて一安心でした。
それからみんな日常生活に戻ったわけですが、考えてみると部屋のドアもトイレと同じなら、同じように開けられるわけでこれは良くないだろうと思ってました。