みんなの鍵
鍵って言うと、自宅や金庫をイメージすることが多いと思いますが、学生にとって意外と大切で身近なのが『部室の鍵』。
サークルや部活でみんなが集まる場所である部室は、サークルの共有物である機材が置いてある場所でもあります。
写真サークルなら、カメラや三脚、スキーサークルなら板、美術系なら、イーゼルや作品…あまり部外者に触れてほしくないものや貴重品が置いてありますから、自然と鍵をかけたくなります。
そこで、部室の鍵の話になります。
部室の鍵を貰えるということは、サークルのメンバーとして受け入れられたということを意味するんです。
サークルに入りたての頃、先輩から部室の鍵を貰う瞬間って、嬉しかったのでよく覚えています。
もらいたての一カ月くらいは、だれかと一緒に部室を出るときなど、「あ!僕が閉めます!」って必ず飛びついていました。
鍵を使いたくてしょうがなかったんです。
そんな僕も上級生になり、後輩に鍵を渡すようになります。
実はそれまで知らなかったんですけど、アイカギからアイカギを作ると劣化してしまうんですね。
先輩からもらったアイカギをそのまま持って鍵屋さんに行ったら指摘されました。
また来ますといって、部室のマスターキーを取りに戻った時は少し恥ずかしかったです。
昼食時、違うサークルの同級生にその話をしたところ、彼のサークルでは既にマスターがどれだかわからなくなってるとのことでした。
その時手が空いている人が自分のアイカギをコピーしにいくものだから、どんどん劣化しているらしいです。
でもどのくらい劣化するんでしょう。
何年もしたら空かなくなっちゃうんでしょうか?さて、自分の部室の鍵はきちんとマスターからコピーできたので、後輩に渡しました。
翌日の昼休み、部室のソファーでふんぞり返って漫画を読んでいる後輩を発見。
先輩のいないときでも何時でも来られるようになったのが嬉しいと言っていました。
「なにかいたずらするつもりかよ?」などとからかいつつ、後輩の「鍵、ありがとうございました。
」という簡単な一言が妙にうれしかった昼休みでした。